リヴリーの掌編小説

キノコ栽培所

リヴリーの掌編小説

とても困っているんです。
あのタコの親子がある日やってきて、キノコ栽培を始めたときには驚きました。
だって、海の中でキノコを育てるなんて聞いたことないでしょう?

最初はみんなバカにして相手にしなかったんですよ。
キノコなんか育つはずがないって。
でも、見てください。
あんなに巨大なキノコがニョキニョキ生えてきて、いまではすっかりこの海の名物になっちゃいました。

なにを困っているのかって?
あのキノコ、すごくおいしいんですよ。
遠くの海からもたくさんの買い物客が訪れるようになって、ついでにいろんなものが売れるんです。
それでみんな手のひらを返したようにもてはやして、どんどんキノコ農家が増えていきました。

このあたりを見てお気づきになりませんか?
サンゴを切り拓いてキノコ栽培所にしてしまったんです。
サンゴを住処にしていた小さな魚たちは別の海へ引っ越していきました。

キノコは毎日たくさんの胞子を飛ばします。
このままキノコが増え続けたらこの海はどうなってしまうのか、誰も知らないんです。

リヴリーの掌編小説

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