リヴリーの掌編小説

Tea for Two

リヴリーの掌編小説

年に一度しかやってこないなんて、悲しすぎるでしょ。
クリスマスが大好きな私は、毎月25日に「秘密のクリスマス会」を開催してるの。
開催といっても、メンバーは私だけ。
いちおう友だちを誘ったんだけど、みんな「年に一度だからいいんじゃない」と言って参加してくれなかった。
年に一度が不満だから毎月開催してるのに。

学校へ行く途中に大きな公園があって、たくさんの木が立ち並んでいる一角がある。
そこにこっそりクリスマスの飾りつけをして、ひとりでパーティーを開くの。
なにしろひとりだから飾りつけにも時間がかかるわけ。
でも、少しずつ作業が進むのもすごく楽しい。
先月はドールハウスを設置したから、ハウスの内装をクリスマスパーティーにしようと思ってるんだ。

今日は25日。
ポットに熱い紅茶を入れて、フィナンシェも用意した。
お手製のクリスマスリースの間から見える公園の景色を眺めながら、ほっと一息つく時間が大好き。
お茶を飲みながら、ドールハウスの飾りつけをどうしようか考えていると、おかしなことに気づいた。
ドールハウスの中に、ミニチュアのプレゼントボックスが並べられている。
私が持ってきたときには、ハウスの中はからっぽだったのに。
胸がぴょこんと跳ねたように感じて、思わず手で押さえた。

私のほかにも、クリスマスが大好きな人がいるんだ。
私はかばんからノートを取り出すとページを一枚破り、ペンを持った。

✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
秘密のクリスマス会へようこそ。
毎月25日にパーティーを開催しています。
来月のパーティー、ぜひお越しください。
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼

ノートのページを小さく折りたたみ、ミニチュアのプレゼントボックスの上にそっと置いた。
招待状、受け取ってくれるといいな。
来月は2人分のお茶を用意しなくちゃ。

リヴリーの掌編小説

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