リヴリーの掌編小説

魂運び

リヴリーの掌編小説

長い航海を終え、久々の土を踏んだ船員たちはいつもの店でつかの間の休息を満喫していた。
夜も更けた頃に決まって始まるのは怪談めいた噂話。
「魂運び(たまはこび)」って知ってるか」
「いや、聞いたことがないな」
テーブルの隅に座っていた男が、静かに語り出した。
「オーロラの夜に現れる小さな舟だ。舟にはなぜか木が植わっている。小さな青い花がついていて、それが人々の魂だという。その魂を天使が運んでいた」
「天使?そりゃあ会ってみたいものだな」
「その舟を見た者は生きて陸に上がれないって話だ」
「なんだ、縁起のいい話じゃないのか」
笑いながら男に目をやると、テーブルの隅の席には誰も座っていなかった。

リヴリーの掌編小説

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