シトリーンの日記

シトリーンの日記【ぼくのこと】

ぼくは、きいろい毛のくま。

きいろだから、きいろい宝石の名前をもらって「シトリーン」という名前になったんだって。

ぼくの住む島は、「クリスタルアイランド」っていう、いつもポカポカ陽気のちいさなちいさな島。

昔は家族や仲間も住んでいたけれど、いろいろと不便だといって、船で別の大きな島へみんなひっこしちゃった。

いまはぼくひとりで暮らしてる。

ひとりぼっちなんだけど、そんなにさみしくはないよ。

この島にはたくさんの鳥が遊びに来るし、「ブルー」っていうなかよしの鳥もいる。

クリスタルアイランドは、名前のとおり、きれいな石があちこちにあるんだ。

ぼくはキラキラした石が大好きで、お気に入りの石をたくさん持っている。

このあいだ、テレビを見ていたら、ぼくと同じようにキラキラの石が好きな人たちがたくさんいた。

赤や紫、グリーンや透明の石を手に取ってシアワセそうに笑ってた。

シトリーンの日記

次の日、ブルーに話したら、ブルーがこんなことを言った。

「この島の石を売ってみたら?」

石が売れるなんて考えたこともなかったから、ぼくはびっくりした。

ブルーが言うには、大きな島では石を売る店があって、毎日たくさんの人が買いに来るんだって。

シトリーンの日記

そして、おせっかいなブルーはこの島の石を買い取ってくれる店を勝手に見つけてきたんだ。

店の人はニャムレットさんっていう人で、ぼくと同じでキラキラする石が大好きなんだって。

ぼくの集めた石で、いろんな人がシアワセになるなんて、ステキだなと思った。

ブルーのおせっかいのおかげで、ぼくには仕事ができた。